.4月1日に、『銀行法施行令等の一部を改正する政令等』が施行されました。
これにより、これにより、日本ではじめて仮想通貨に法的整備がしかれることになりました。
仮想通貨への対応は以下のようになっています。
・仮想通貨と法定通貨の交換業者に対し、登録制を導入する。
・利用者が預託した金銭・仮想通貨の分別管理等、利用者保護のためのルールを整備する。
・仮想通貨交換業に係る事務要領等について、「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)16.仮想通貨交換業者関係」を策定する。
一見あっさり終わっているように見えますが、これ以外にも『別冊29 事務ガイドライン(第三分冊:金融関係16仮想通貨交換業関係)(新設)』というものがあり、仮想通貨の取扱いについて、84ページにもわたって事細かに説明されています。
この規制の一番の特徴は、銀行や貸金業社と同じように仮想通貨取引所も登録制にして法の監視下に置いたことでしょうか。これにより、日本国内で仮想通貨の取引は登録時業社のみになります。ただし、猶予期間がもうけられていることもあり、現在のところ登録業社はまだありません。
最低1,000万円の資本金があること、純資産がマイナスでないことが登録条件として挙げられているほか、財務書類は公認会計士か監査法人による外部監査をうけることが義務付けられています。海外でも交換業社は外部監査を義務付けられているところが多いようです。
消費者保護の観点から見れば、一見好ましいようにも思われますが、逆に登録を受けられない業社が続出して違法な取引が地下で行われるようになってしまう可能性もあります。今後、どのような対応をしていくのかが注目されます。
海外の仮想通貨交換業社は営業所と代表者を登録すれば日本国内で営業することができます。
このほかにも、名義貸しの禁止、情報の安全管理、利用者保護に関する措置、利用者財産の管理義務など消費者保護に重点をおいた規制が目を引きます。
また、仮想通貨の価値が暴落した場合、消費者が多大な損害をこうむる可能性もあることから、業社にはリスクの事前説明や書面での説明が求められています。
業社の保持している仮想通貨と利用者の仮想通貨を明確に区別できる管理体制も義務付けられています。分別管理にかんしては、公認会計士か監査法人による外部監査を受けることも盛り込まれています。
分別管理をおこたったとみなされる場合は、懲役2年以下の懲役か、300万円以下の罰金が科せられることになります。
仮想通貨は、法的にまだ曖昧な部分が多く、業社が破産した場合の利用者の財産保護などは、まだ不透明な部分もあります。規制ができたとはいえ、登録業社がまだ一件もないなど環境が整備されるまではもう少し時間がかかりそうです。
ただ、消費者保護の法律ができたとはいえ、仮想通貨の取引による損益は利用者の自己責任であることに変わりはありません。法律は違法と認められた場合にしか効力を発揮しません。くれぐれも分不相応な取引はしないようにしましょう!