中国など海外でのビットコイン人気と比べると、日本はかなり遅れをとっています。日本でビットコインが広く知られるようになったのはマウントゴックス事件がきっかけといわれています。
当時世界最大のビットコイン取引所だったマウントゴックスのコンピューターが何者かにハッキングされ、大量のビットコインが盗まれてしまいました(実際は当時の社長の私的流用が多かったようですが)。
この事件でビットコインの存在が大きくクローズアップされたのですが、それと同時に『うさんくさい』『怖い』というイメージがついてしまい、新たな投機対象という見方が強くなってしまったのです。
日本は海外のように、支払いにビットコインを気軽に使える環境はととのっていません。しかし、最近になってビットコインを決済手段として使えるところが少しずつ増えてきています。利用できるのは、主にインターネット通販です。
仮想通貨専門の通販サイトも登場しています。商品は日用雑貨や家電、パソコンなどをかなり幅広く取り扱っています。レンタルDVDやオンラインゲーム、動画、音楽配信でもビットコインでの支払いができるところが増えてきています。
ビットコイン専用のATMも登場しました。ATMといっても銀行のようにお金を引き出すのではなく、ビットコインの売り買いをするためのものです。利用する前に、モバイル端末にウォレットを作っておく必要があります。
ビットコインを購入する場合は、現金をATMに投入し、ATMに表示されているQRコードにスマホをかざしてウォレットのアドレスを読み込ませます。アドレスを認識すると、ウォレットにビットコインが送られます。
売却する場合も流れは、ほぼ同じです。自分のウォレットからビットコインが送金されます。しかし、銀行のATMのように、街中にあるわけではありません。全国合わせても15台あるかどうかという程度です。
さらに、免許証など本人確認のできる書類スキャンや掌紋スキャンが必要など、かなりの時間を要します。普及とはほど遠い状態ですが、外国人観光客が年々増えてきていますし、2020年には東京オリンピックがひかえています。ビットコインを普段から利用している外国人観光客の需要があれば、今後も増えていくかもしれません。
日本は外国に比べると現金主義が根強く、日本独自の決済手段が普及しているので、仮想通貨が一般的になることはないという人もいます。しかし、世界中で仮想通貨がひろまりを見せれば、その波は確実に日本にもやってきます。インターネットで世界中誰とでも繋がることができる現代では、それは避けることはできません。
むしろ、今の日本の決済システムが優秀で便利だといっても、あと数年もすれば、フィーチャーフォンがスマホにとって代わられたように、ガラパゴス化してしまう可能性もあります。海外ではコンビニなど普段の買い物でビットコインが利用できる国がすでに存在しているのです。
仮想通貨かこれからどうなっていくか、しっかり注目していく必要がありそうです。