ビットコインは2008年、Satosshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)なる人物がweb上で発表した『Bitcoin:A Peer-to-Peer Electroncs Cash System』という一本の論文から始まります。
P2Pという、中央サーバを経由せずに通信ができる仕組を利用して金銭のやり取りができるようにしたのがビットコインです。
これだけ世間を騒がすビットコインの元になった論文なので、さぞや難しいのでは?と思いますが、実際はA4のPDFで9枚しかない短い論文です。この理論を元に、翌年の2009年から運用がはじまりました。
サトシ・ナカモトという名前から日本人と思われますが、実はこの人物の正体はいまだにはっきりしていません。2010年ころまでは運用に積極的に関わっていたようですが、次第にビットコインのとは距離を置くようになり、今はすっかり沈黙しています。
サトシ・ナカモトの招待については、いまも様々な憶測が飛んでいます。論文が非常に自然な英語であることから、日本人ではないとも言われていますし、ビットコインのプロジェクトの総称だという説もあります。
過去には、この人物こそサトシ・ナカモトでは?という人物が何度か現れました。日系アメリカ人の初老の男性や、若い白人の男性、日本人の大学教授などがいましたが、いずれも本人が否定したり、サトシ・ナカモトであるという確かな証拠がなかったりと、結局今でも正体はなぞのままです。
ビットコインはブロックチェーンという技術に支えられています。取引の履歴を一つの塊(ブロック)にして、鎖のように(チェーン)繋いでいくことからこの名前がつきました。ブロックチェーンの理論自体は、1990年代にはすでに存在したようです。
サトシ・ナカモトはブロックチェーンに加えてマイニングの機能をビットコインに持たせました。マイニングは採掘という意味です。マイニングとは、ビットコインの取引が正確に行われたかを確認する作業のことです。
ブロックチェーンのブロックにはノンスと呼ばれる数値が入っています。このノンスは複雑な計算をしないと正確な数字を導き出すことができません。このノンスをマイナー(採掘者)と呼ばれる大勢のユーザーが競って計算します。
正しいノンスが求められると、取引が正確に行われたものと認められ、新しいブロックが承認されることになります。承認されれば取引成立とともに、正解者に報酬としてビットコインが与えられます。ここでビットコインの流通量が少し増えることになります。これは一般の通貨でいう通貨発行にあたります。
新しいビットコインを手に入れるために計算することを採掘になぞらえてマイニングと呼び、計算する人をマイナーと呼ぶようになりました。ビットコインは取引成立に約10分かかりますが、これは正解を導き出す計算が10分ほどかかるようにできているからです。
マイナーは世界中に大勢います。その中で一番最初に正解にたどり着いた人だけが新たなビットコインを手にいれることができるのです。
ブロックチェーンを改ざんしようとすると、世界中のマイナーの目を欺かないといけませんが、それは実質不可能なことです。これが中央集権的機関がなくても流通に支障がでないカギになっています。