現在、一番マイニングに熱心に取り組んでいるのは中国で、70%近くを占めるといわれています。なぜ中国では、こんなにビットコインがもてはやされるのでしょうか?
理由の一つに電気代の安さがあげられます。マイニングには複雑な計算が必要です。現在のマイニングは、個人がコンピュータを1~2台使って計算して間に合うものではなくなっています。
少しでも早く、他の人に先んじてビットコインを獲得しようとすれば、専用のコンピュータを一台でも多く設置して休みなく計算したほうが、よりチャンスが多くなります。しかし、何十台、何百台もコンピュータを稼動すれば、当然電気代も高くなります。
コンピューターをフル稼働させれば、しだいに熱を帯びてきます。冷やさなければ早々に壊れて使い物にならなくなってしまいます。そのために、大型のファンを何台も取り付ける必要があります。これも一日中つけっぱなしですから、電気代がさらに上乗せされます。
中国のあるマイニング専門の施設では、電気代だけで月に600万円とぶそうです。日本でやろうとすると電気代はいくらになるのでしょうか?ちょっと考えるのがおそろしいですね…。
もう一つの理由としては、中国のきびしい規制が背景にあるといわれています。中国は送金手続きが非常に煩雑です。この手続きをふまずに簡単に送金するために選ばれた手段がビットコインだといわれています。ビットコインは法の網をかいくぐって取引できるため、あっという間に人気になったのです。
中国政府はビットコイン取引には消極的です。いままで、いろいろ規制を強化してきましたが、ビットコイン熱は収まるどころか、加熱する一方です。最近では非公式ではありますが、ビットコイン取引を認めるようになってきたようです。
中国のマイニング専門施設は、公にみとめてられているわけではありません。そのせいか、人目につかない山の中や、人口の少ない都心から離れた町にあることが多いようです。
あるメディアが中国のマイニング施設の一つを取材したところ、何十台もの計算専用のコンピューターを載せた金属製の大型ラックがところ狭しと並んでおり、壁に取り付けられた大型ファンがフル稼働しているため、騒音がかなり大きいそうです。
施設には数人の技術者が待機していますが、コンピューターに何か異常が発生しないかぎりは特にやることがないそうで、ほとんどの技術者がマンガを読んだり、ゲームに興じていたりして、雰囲気はなごやかなようです。
コンピューターは、性能のいいものが出れば早め早めに切り替えるようで、壊れて使えなくなったもの、新しいものと交換したためにお払い箱になったコンピューターが部屋の隅に山のようにつまれていました。
いつか、ビットコインの採掘が終了し施設が閉鎖になったら、これら大量の大型粗大ごみはどうやって始末するのでしょうか?利用できる部分は取り出してリサイクルしているようですが、全体の1~2割程度といったところです。
不法投棄にならなければよいのですが…。