Fin Techとは
Financeとtecnologyを掛け合わせた造語。AIなどの最新技術と金融を融合させて、いままでにない新しい金融サービスを提供することが目的となっている。海外では数え切れないほどのFintechのスタートアップ起業がしのぎを削っている。
Fintechという言葉や概念はそれほど新しいものではなく、数十年前にすでに登場している。リーマンショック後、失業した金融関係者がこの業界に多く流入したといわれている。Fintechのスタートアップ起業は、しばしばディスプラター(破壊者)ともよばれる。
特定の顧客に求められるサービスをインターネットを通じて安く、迅速とどけるなど既存の金融サービスの概念を破壊することに由来する。また、Facebookなど金融業界とは無縁に思われていたSNSも、こうした新しい形の金融サービスに参入してくる可能性もあり、アメリカ古参の金融企業から怖れられている。
サービスの形としては、スマホがあれば好きなときに時間単位で契約できる保険や、AIが投資判断をする投資会社、日本でも徐々に定着しつつある、インターネットで自ら資金を募るクラウドファウンディングなどが知られている。
アメリカでのFintechの普及に一役かっているのはミレニアム世代という、1980~2000年に生まれた若者世代であるといわれている。日本で言う『ゆとり世代』と共通点が多い。この世代は物心ついたときからインターネットに慣れ親しみ、SNSで知らない人と知り合うことに抵抗がなく、ほかの世代にくらべ、人種や性的少数派などに対する差別意識も薄い傾向がある。
また、リーマンショックに端を発する不景気の真っ只中で学生時代をすごし、就職難などの問題を抱えていることも多く、既存の大企業に嫌悪感を持っている物も多い。SNSが金融サービスをこうした若者に提供すれば、従来の金融機関は大幅に顧客を奪われる可能性がある。
ただし、ミレニアル世代はFintechがどんなサービスなのかを自覚せずに恩恵に預かっているという調査結果もある。
また、親世代のように車や家などの資産にあまり興味を示さず、ミニマリズムといわれる物をあまり所有しない質素な生活を好む傾向がある。社会的貢献にも高い意欲があるとも言われており、既存の金融機関はかれらの嗜好にあったサービスが提供できていないのが現状である。
Fintechは、発展途上国や資源の少ない小国の経済発展に貢献するともいわれている。例えば、アフリカ金融インフラが脆弱で、銀行口座やキャッシュカードの保有率が非常に低い。近所に銀行がないことも多い。
スマホのみの銀行や送金費用の安い仮想通貨が発展途上国の経済的発展に繋がると注目され、様々な実証実験が行われている。
日本は銀行のATMなど送金のインフラが発達し、現金主義の風潮が強いことなどから海外ほどFintechは盛んではないが、大手銀行が仮想通貨発行の発表をしたり、ブロックチェーンによる送金の実証実験や海外のFintec起業への出資などの動きがみられる。
また、今年に入って仮想通貨を決済手段として認め、取引所には登録が義務づけられた。他にも、スマホのみの証券会社や、アプリを使った家計簿ソフト、海外に比べれば小規模ではあるがクラウドファウンディングの起業も増えてきている。
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